インプラント
インプラントとは?
歯を失ってしまった場合には代わりとなるものが必要です
虫歯や歯周病、または事故などによってやむを得ず歯が失われたとき、代わりとなるものが必要となります。このとき活躍する人工歯根をインプラントといいます。
歯を失った場合、従来の選択肢としては基本的に「入れ歯」か「ブリッジ(繋がった被せ物)」が選ばれてきました。しかし、それぞれメリットとデメリットがあり、患者さんによってもその考え方は様々です。
「入れ歯」はなんと言っても目立ってしまい、装着しているという感覚がどうしても残ってしまいます。また「ブリッジ」では両隣に健康な歯が残っていることが条件ですが、これらを削って被せ物を装着する方法です。当然、健康な自然の歯に少なからずダメージがありますので、できればこれも避けたいものです。
しかし、昨今インプラントという治療法が普及したことにより、現在では患者さん側の認識も少しずつ変わってきました。入れ歯やブリッジのデメリットを克服した状態で失った歯を補えるようになったのです。インプラントという言葉を初めて聞く方にとっては、最先端の新しい治療法かと思われるかもしれません。しかし実際には40年以上前から行われきた治療法で、その効果や安全性は充分に確認されて来ました。
歯を失った状態を放置するリスク
歯が抜けてしまった口内は様々なリスクに晒されます。
歯を失った状態をそのままにするとどのような事態を招くのでしょうか。すでに歯が失われているので、「それ以上悪くなることはない」と思われるかもしれません。しかし歯を失った状態を放置することで、実は口の中の健康は様々なリスクに晒されることになるのです。
①歯が移動してしまう
歯が失われた箇所には何もない空間ができてしまいます。歯は独立して生えているように見えますが、実は隣接しているもの同士支え合っているのです。そのため隣に何もなくなってしまった歯が徐々に傾いてきたり、ずれたりするようになります。
②噛み合わせが悪くなる
①の歯の移動によって噛み合わせが悪くなっていきます。どこか一ヶ所の噛み合わせが悪くなると段々と全体に影響してしまうことがあります。
③口の中全体の健康が損なわれる
噛み合わせが悪いと食事の際にどちらか片側だけで噛むようになりがちです。そうすると特定の歯に過度に力がかかり過ぎて歯にひびが入ったり、割れたりしてしまうことがあります。歯が弱まるとむし歯や歯周病になりやすくなりますし、その歯だけではなく、いずれお口の中全体が悪化してしまうおそれがあります。
④見た目が悪くなる
歯が失われた状態自体、顔の印象をそれまでと異なるものにしてしまう可能性がありますが、それ以上に歯の移動によって歯並びが崩れ、圧力が前に向かってかかり出っ歯になる可能性も出てきます。そうすると自分の容姿に自信を持てなくなり、人前で明るく振る舞うことができなくなってしまうかもしれません。
⑤顎関節症を発症する
噛み合わせの悪さは口の中だけではなく顎の筋肉にも影響を及ぼします。いびつなバランスで力がかかることで顎の筋肉や関節にダメージが蓄積し、やがて顎関節症を引き起こすかもしれません。顎関節症になると日々の会話や食事に支障を及ぼすようになります。
⑥体全体が痛みだす
顎の筋肉の不具合はその部分だけに留まりません。まず肩凝りや頭痛などを誘発し、その影響で身体のバランスが悪くなり、同時に手足なども痛むようになる可能性があります。
⑦義歯を入れることが困難になる
歯を失った状態を放置したことにより身体のあちこちが悪くなった人は、その状態を改善させるために義歯を入れようと考えるかもしれません。しかし歯が移動して歯並びが悪くなってしまったあとでは歯を失った直後のようにすぐにその治療に入ることはできないかもしれないのです。むし歯や歯周病など悪くなった箇所を治したり、歯並びを矯正したりする必要があるかもしれません。
歯を失ったときの治療法それぞれの特徴
メリットとデメリット
インプラント・入れ歯・ブリッジの3つの選択肢
先ほど申し上げたように歯を失ったときの治療法としては、一般的には3種類の解決策があります。「入れ歯」と「ブリッジ」そして「インプラント」の3つです。以下ではそれぞれの特徴やメリット・デメリットをご説明します。
義歯(入れ歯)
入れ歯には「部分入れ歯」と「総入れ歯」の二種類があります。一本でも歯が残っていれば部分入れ歯で、歯が全て失われていれば総入れ歯となります。特徴としては取り外しができるという点が挙げられます。患者さんご自身で洗うことができ、清潔な状態を保つこともできます。しかし一方で、取り外しができるということは他の歯や歯茎とのあいだに隙間があるということでもあり、そこに汚れが溜まりやすくなる傾向があります。溜まった汚れは、むし歯や歯周病を引き起こし、また口臭の原因ともなりえます。
また高齢の患者さんでは免疫力の低下も重なり誤嚥性肺炎という口腔環境に関係する肺炎が確認されています。
ブリッジ
この方法は失ってしまった歯と隣り合う健康な歯を削り、そこを支えとして橋をかけるように被せ物を作り安定させます。この治療ができる条件として、失った歯の両隣の歯が健康であることが前提となります。しかし、健康な歯を削る必要があり、希望されない患者さんもいらっしゃいます。
金属のバネがある部分入れ歯と違って、装着時に違和感が少ないことが挙げられますが、歯茎の間に隙間ができることで、汚れが入りやすくなるケースもあります。また素材や条件によっては保険適用となることもあるため、費用の面で選択される方もいらっしゃいますが、健康な歯を削る治療となるため体への負担は大きくなります。
特に当院では自然な歯をなるべく残す方針で治療を行いますので、なるべく削らずに治療を進めていきたいと考えています。
インプラント
ではインプラントではどうなるでしょうか。
インプラントのメリット、デメリットは以下のようなものが挙げられます。
メリット
・しっかりと固定されているので使用感が良く、噛みやすい。
・人工歯は天然歯と同じような見た目をしているので審美的に優れている。
・義歯のように外すことなく、天然歯と同じようにブラッシングができる
・適切な治療を受けられれば周囲の歯にダメージを与えない
デメリット
・自由診療(保険が効かない治療)なので保険診療(保険証の範囲内の治療)と比べると費用がかかる
・治療開始から終了までに数ヶ月かかる(おおむね四ヶ月から九ヶ月)
・定期的なメンテナンスが必要
ごく一部の患者さんに追いて、顎の骨に異常がある場合には治療が難しいケースもあります。これはその他の疾病により顎の骨が変形していたり、すでに何かの病気にかかっていたりするケースです。患者様一人一人ごとに判断は異なりますが、一般的には下記の病気を患っている人はインプラント治療ができない場合があります。
・糖尿病、腎臓病、肝臓病……免疫力が弱まっているため術後の感染を起こしやすい
・高血圧……出血の危険性が高く、合併症(脳梗塞など)を起こすこともある
・心臓病……心臓発作を起こすことがある
・骨粗鬆症……使用している治療薬の種類によっては外科手術の影響で骨が壊死する
【インプラント治療の手順】
一回法と二回法の2つ
インプラント治療は大別すると「一回法」と「二回法」の二つに分けることができます。違いとしては名前が示す通り手術の回数が一回と二回ということですが、二回法の方が感染のリスクが低かったり様々なケースに対応できたりするということから一般的に二回法で行いますが、骨の状態が良い場合は、一回法で行います。
<一回法の手順>
①歯茎を切開してインプラントを埋めるための穴を骨に開ける
②インプラントを①で開けた骨に埋め込み、アバットメントを装着し、それが露出した状態で歯茎を閉じる
③あごの骨とインプラントがしっかりと結合したことが確認できたら人工歯(被せ物)を取り付ける
<二回法の手順>
一次手術
①歯茎を切開してインプラントを埋めるための穴を骨に開ける
②インプラントを①で開けた骨に埋め込み、歯茎を縫合してインプラントを完全に閉じた状態にする
③顎の骨とインプラントがしっかりと結合するのを待つ(おおむね数ヶ月)
二次手術
④歯茎を切開してインプラントを露出させる
⑤インプラントにアバットメント(土台)を装着する
⑥切開した部分が治るのを待ってから被せ物をする
インプラント治療の注意点
インプラントは歯を失ってしまい、他の歯を残しつつしっかりと噛める状態にするのには非常に有効な治療法ですが、治療工程が全て済んだからといってそれで終わりではありません。適切に使用・メンテナンスをしていかなければ、例えば周囲の歯茎が歯周病になってインプラント自体が抜け落ちてしまうこともあります。これを脱落といいます。
そもそも歯が抜け落ちた原因がむし歯や歯周病であるならば生活習慣に問題がある場合が考えられ、根本的なメンテナンスの見直しや生活習慣の観察が必要となります。せっかく入れたインプラントを長く安全に使っていける為に大切なことは、実はこれまでと変わらず、日々のブラッシングや定期的な歯科医院でのメンテナンスです。当院では当然、治療を行う前にケアの計画を見越してプラングしていきますので、一緒に口腔内環境をしっかりと整えていきましょう。
当院におけるインプラント治療
本当に必要なのか、検討した上での治療が大切
インプラントという治療法が一般的に知られるようになったことで、多くの方が希望されるようになりました。当院でもこれまでに多くの方のインプラント治療をさせていただいております。
インプラントは歯を失ってしまった人にとって大変有効な手段の一つですが、リスクを伴う治療であることも確かです。そのため当院では患者様ご自身がインプラントを希望された場合でも、それが本当に必要なのか、他の手段で替わるものはないか、ということをきちんと検討したうえでそれでも最適だと判断した場合にのみインプラント治療を提供するようにしています。
しかし歯科医院の中には患者様の状態的に本来ならばインプラント治療の必要がないのに、それしか手段がないというような説明で治療を勧めてくるケースもあるようです。インプラントをお考えの方は安易に歯科医院を選ばず、医院やそこで働く医師のことをきちんと調べたうえで決められることをおすすめします。
他の歯を保存するために
当院がインプラントを行うかどうかを判断するときの基準の一つとしているのが「他の歯を保存するために必要か」ということです。これはそのインプラント治療を行うことが口腔内に残っている他の歯を守ることにつながるかということを意味します。こういった考えを持たずに行われるインプラントは後になって他の歯に悪い影響を及ぼし、しなければよかったという結果をもたらしてしまうことがあります。
歯科治療において大切なことは、治療するその歯のみのことを考えるのではなく、いかにして口の中全体の健康を取り戻すかということです。その視点なくしてクオリティの高いインプラントはありえません。
ノーベルバイオケア社ブローネマルクシステムを採用
当院ではブローネマルクシステムと呼ばれるインプラントを採用しています。インプラントの起源はスウェーデンの著名な医師であるブローネマルク博士に由来します。人間の骨と人工物とが結合して共存するための研究にもとづいて開発されたもので、今日世界中に数百種類とあるあらゆるインプラントのもととなったものです。
ブローネマルクシステムは1965年に世界で初めて臨床応用されたインプラントで、すでに45年以上の研究にもとづいて提供されている、世界で最も歴史のあるインプラントです。実際にブローネマルクシステムを使った症例は長期かつ膨大な量にのぼり、安定した成果を残しています。
ブローネマルク博士が実際に治療したインプラントは41年間口腔内で機能し続けたというデータもあり、大変信頼性に富んだ製品です。インプラントは患者さんの体の中で長期間使われるもののため、確かな歴史と成果を評価し、当院では数ある中からこのインプラントを採用し治療に取り入れています。
治療費用について
一歯あたりの治療費について
一歯あたり総費用:432,000円
(仮歯、被せ物、手術、消毒、術前クリーニングなど全て含んだ総費用)
上記はあくまで目安となります。症状により回数や費用は変わります。
全ての費用は事前にお見積をさせていただき、明確なお見積もりをさせて頂きます。
まずはカウンセリングへお越しください。
インプラントに使用する機具メーカー
当院ではブローネマルクシステムと呼ばれるインプラントを採用しています。
1965年に世界で初めて臨床応用されたインプラントで、すでに45年以上の研究にもとづいて提供されている
世界で最も歴史のあるインプラントです。
保証期間
万が一のトラブルに対しての保証制度になっております。
装着日〜1年以内の経過症例 10割保証
1年以上2年未満の経過症例 8割保証
2年以上3年未満の経過症例 6割保証
3年以上4年未満の経過症例 4割保証
4年以上5年未満の経過症例 2割保証
カウンセリングに申し込み
(【カウンセリング費用】レントゲン、検査費用として 2,960円 がかかります。)
お支払いについて
治療費のお支払いは、現金、クレジットカード、振込からお選びいただけます。
院長紹介
Satoshi Uekusa Ph.D.
2004年
日本大学歯学部卒業
2008年
日本大学大学院 歯学研究科 博士課程終了
2008年
日本大学歯学部保存学教室修復学講座 入局
2009年
東京都新島村国保診療所 歯科医長として出向
2010年
岡口歯科クリニック
2012年
医療法人社団SED 汐入駅前歯科
2015年
うえくさ歯科 開業
2020年
医療法人社団 心瑛会 うえくさ歯科
- 日本歯科保存学会 専門医
- 日本歯内療法学会
- 日本成人矯正歯科学会
- 日本歯周病学会
- 日本顎咬合学会
- 包括医療研究会