クリニックBLOG
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歯科受診によるコロナ感染リスクへの誤解
長引くコロナ禍や緊急事態宣言の発令などにより、不要不急の外出を避けるように言われて久しくなっています。
多くの皆様が3密回避のために外出しないことにもなれてきているのが現状の今日。
その流れは歯科の受診控えも例外ではありません。
しかし、歯科の受診が必ずしもコロナ感染のリスクを上げるわけではありません。
コロナ感染対策を施すことで、歯科医院ではコロナ感染にクラスター発生は非常に少ないのです。
却って歯科受診することでコロナ感染感染のリスクを下げることができます。
歯科での新型コロナウイルス感染リスクが小さい要因
消毒の徹底
歯科医院含めた医療を提供する全ての場所で適用される感染予防策をスタンダード・プリコーション(標準予防策)といいます。
スタンダード・プリコーションは感染症の有無に関わらず、全ての患者様を対象に普遍的に適用される予防策です。
「汗を除くすべての血液、体液、分泌物、損傷のある皮膚・粘膜は感染性病原体を含む可能性がある」という原則に基づき、手指衛生や個人防護具(マスクやガウン他)の着用など感染リスクを減少させる予防策を示しています。
そしてこのスタンダード・プリコーションはコロナの発生とは関係なく以前から、そしてあらゆる医療機関が行っている予防策になります。
つまり歯科医院は徹底した感染症対策を行う、感染予防のプロなのです。
さらに当医院ではコロナ感染の拡大防止を目的とした感染予防体制を敷いております。
飛沫感染予防への対策
日本歯科医師会は令和2年8月付けで「新たな感染症を踏まえた歯科診療ガイドライン」と題した指針を発表しています。
この中では診療に関する留意点の一つとしてエアロゾル感染を上げています。
診療室内の換気や治療で用いる吸引装置の使用など細かく列挙されています。
このような指針を踏まえ、歯科医院では院内感染を防ぐための万全な対策をとっています。
当医院では診療中の防護服などの着用や窓を開けての換気などの対策をとっております。
コロナ禍での歯科受診でウイルス感染・重症化リスクを低下
新型コロナウイルス感染予防のための口腔管理
同じウイルス感染症であるインフルエンザの研究において、口腔内のケアがウイルス感染リスクを低下させることが明らかになっています。
歯周病の予防や治療によるコロナ感染/重症化のリスク低下
コロナウイルスは口腔内などの粘膜から身体内への侵入し、感染します。
口内に存在する歯周病菌は産生するタンパク質分解酵素を産生します。
そして、このタンパク質分解酵素は口内粘膜の細胞膜を傷つけるのです。
この傷によりコロナウイルスが身体内に侵入しやすくなってしまいます。
さらに歯周病により慢性的に歯茎が炎症している場合、その箇所から炎症物質が産生されます。
そしてこの炎症物質の過剰生産は免疫系の調整作用を弱めます。
結果としてウイルス感染への抵抗力が弱まり、コロナ感染のリスクを上げてしまうのです。
またカタール大学の研究によるとコロナ感染症の重症化について、歯周病の人は歯周病ではない人に比べて死亡率が8.81倍、人工呼吸器を要する割合が4.57倍高くなることが発表されています。
コロナ感染へのリスクを考えると、歯周病の治療やケアは大変重要です。
誤嚥性肺炎の予防によるコロナ感染リスクの低下
誤嚥性肺炎とは文字通り誤嚥によっておこる肺炎をいいます。
誤嚥により唾液や食べ物などと一緒にお口の中の細菌が肺に入り込み炎症をおこしてしまうのが誤嚥性肺炎です。
誤嚥性肺炎の発症は抵抗力の低下はもちろん、コロナウイルスによるウイルス性肺炎を併発すると肺炎が重篤化する原因にもなります。
この誤嚥性肺炎の原因となる細菌の多くは歯周病菌であると言われています。
ですので誤嚥性肺炎を予防するために、歯科での歯周病予防や早期発見、早期治療が必要となってくるのです。
コロナ感染予防のための歯科受診を
コロナ感染のために多くの皆様が不要不急の外出を控えられる生活を強いられています。
しかし、歯科受診はコロナ感染リスクの見地からも不要不急の外出ではありません。
出来る限り歯科受診して心身の健康はもちろん、コロナウイルスの感染リスクを下げるように心がけることが今必要とされています。